わたしはネコになりたい!
いやっ、お前どうした。ヤバい奴に思われるかもしれないが、猫になりたいのには訳がある。
しょうもない理由だが、気になる方はどうぞ続きを読んでみてください。
ノラ猫でも飼い猫でもいいので、猫を想像してみてほしい。
わたしたち人間とは違う点ばかりだが、ある決定的な違いを、私は羨ましく思うのです。
それは所有物を持たないところ。
縄張りや寝床はあるかもしれないが、ホームに帰ったからといって、そこには銀行通帳もなければ身分証明証も印鑑もない。
ショルダーバッグも持っていなければ、体にはポケットだってついていない。
現役のネコちゃんからすれば、中には自由にモノを所有できない自分の身体を不便に思う猫もいるかもしれない。
しかし物が溢れかえって、物事に縛られている大人の人間からすれば、そのような生き方も羨ましく思えるのです。
子供のころの私と猫の違いと言えば、体にポケットがありバックを背負っているかどうかの違いくらいしかなかった。
物は手に持っていたが所有はしていなかった。
戸籍もあるし国民健康保険もあるし、ペンにノート、漫画にゲームなどあらゆるものを手に持っていたが所有している自覚はなかった。
身一つで生きていたことに関しては、猫と同じであると言えます。
大人になると、人はあらゆる物に縛られていくことになります。
まず個人ナンバーという番号が割り当てられ、そのナンバーカードは誰にも見せてはいけなくて、しっかり保管しなければなりません。
生きるためにはお金を稼がなければなりませんが、今の時代お金を現物で受け渡すことは一般的ではありません。
よって銀行口座を作り、パスワードやPINコードで管理して、いつでもお金を引き出したり他人とお金のやりとりが出来るように準備しておく必要があります。
ライフスタイルによっては、自動車も所持しなければなりません。
車を持つためには、運転免許証を持って3年に1回のペースで更新を行ったり、パスワードで管理しなければなりません。
他には任意保険に加入したり、オイル交換や車検といったメンテナンスも欠かせません。
整備工場によっては、会員登録が必須条件のケースもあるでしょう。
いまの時代、会員登録は基本的にWEBで完結するのが一般的になってきました。
そうなるとまず携帯電話を持ち、メールアドレスを持ち、様々なWEBサービスをパスワードによって管理していかなければなりません。
頻繁にWEBサービスを使うようになると、ハッキングやフィッシング詐欺、なりすまし詐欺などから身を守るため最低限のWEB知識をつける必要も出てきます。
このように沢山のものを持ち、目に見えないサービスなどを契約することにより、私たち人間は豊かになってきましたが。
物をもつことは、それらを紛失したり盗難されたりしないように管理する面倒も増えてくるので、常に私たちは脳に負担をかけながら生活しているのです。
各サービスのパスワードを忘れてしまうと面倒な再発行手続きが、車のオイル交換を忘れると車の修理や買い替える面倒が、運転免許の更新を忘れると再度試験を受け直すことに。
所有物の数が増えれば増えるほど、人は物の管理に追われて忙しく生きることになるのです。
とはいえ、物を一切もたない暮らしを実現するには、無人島に移住して社会とは一切かかわらない環境で生きなければなりません。
それはそれで過酷を極めるでしょう。
忙しい毎日で脳ミソが疲れ切ってしまい、疲れていることにも気づかない人は少なくないと思います。
なので、休日はネコになったつもりで生きてみてください。
「吾輩は猫である」そう自分に暗示させて、猫になりきってください。
それすらできない多忙な人もいるかもしれませんが、どこかで時間をみつけて猫になってみてください。
物から解放されたとき、本当の楽を実感できるはずです。