NFTと言えばアート作品やゲームなどのデジタルデータが主流ですが、宿泊権利をNFT化するという新しい試みがはじまっています。そのサービス名がNOT A HOTEL NFT。今回はいま注目されているNOT A HOTEL NFTの魅力を解説します。
NOT A HOTEL NFTを紹する前に、もともとのサービスであるNOT A HOTELについて概要を紹介します。NOT A HOTELとはホテルの滞在権利を最低30日間から購入できるサービスで、自分が泊まるのはもちろん他の人に貸して利益を得ることもできるサービスです。
別荘を購入しても、1年間の滞在時間は2ヶ月未満の人が多く、ほとんどの時間空き家になっている問題を解決すべくNOT A HOTELは誕生しました。とはいえ数十億円するホテルなので30日間分とはいえ数千万円かかります。
高額で手が出ない人のために、新たに登場したのが宿泊権利を1日分から買えるNOT A HOTEL NFT。1泊の宿泊権をNFT化したのが面白いポイントです。ここからはNOT A HOTEL NFTについて紹介します。
利用するにはまず、47年間有効のMEMBERSHIP(150万円~)を購入する必要があります。一見高いと感じますが、この券を購入すると毎年1泊分の宿泊券(鍵)がNFTでもらえます。つまり1泊約32,000円という計算になるので、リッチなホテルに泊まれると考えればそこまで高額ではありません。
宿泊施設は全国に現在建設予定で、2022年は宮崎県の青島と栃木県の那須にオープン。年に一回送られる宿泊1泊分のNFTは宿泊日の3カ月前に届きます。翌年以降は毎年同じ日付に1泊分のNFTが届くようになり、宿泊施設はランダムで決まる仕組みです。
最初に購入するMEMBERSHIPと毎年届く宿泊1泊分のNFTは、OpenSeaなどのNFTマーケットで転売・贈答できます。
NOT A HOTEL NFTは宿泊権利をまとめ買いして、その後の運用は自由にカスタマイズできるサービスです。では具体的にどのような美点がユーザーにあるのか、またどんな注意点があるのかを解説します。
MEMBERSHIPは2022年11月18日現在150万円~で購入できますが、2022年8月2日の発売日では125万円~でした。わずか4ヶ月で25万円も高騰しているので、この時点で先発者優位が発動しています。
さらに今後の物価上昇でホテル1泊の料金も上がる可能性があります。しかしすでに47年間分(47泊)の権利を買っているので、どんなにインフレが進んでも1泊約32,000円という値段は変わらないのが強みです。
毎年NFTで届く1泊の宿泊券は転売OKなので、必ずしも自分が泊まる必要はなく誰かに販売すれば原資回収も不可能ではありません。
言い換えれば47年間の契約をするのと同じことなので、その間に運営会社のNOT A HOTEL株式会社が倒産した場合、お金が返ってくる保証はありません。
また47年間運営が続いたとしても、ホテル1泊の価値が今後下降すると前払いした150万円が損となります。その場合NFTマーケットで転売するのも難しいので、相場以上の高いお金を払って宿泊することになるでしょう。
さらに、現時点ではホテルの数が少なく運営歴もないので、必ずしも心地の良いステイができるとは限りません。泊まってみないことには自分に合うかどうかわからないので、ホテルのクオリティにこだわる人も注意が必要です。
NOT A HOTEL NFTは事前に47年間分の宿泊権利をまとめて購入するという、今までになかったまったく新しいサービスです。この流れはNFTの登場で導入できたとも言えます。損をしてしまうリスクもありますが、反対に安く旅行ができて利益まで出せる夢があります。今後の展開が楽しみですね。