魚人に全身を噛みつかれて、砂使いに全身の水分を吸収されて、猛毒におかされて。
時には仲間にボコボコに撲殺されそうになったり…
彼がゴム製の人間ではなく、生身の普通の人間だったら、とっくに息をしていないだろう。
なぜそこまでして、ルフィは戦い続けるのか?
ボクがルフィ君だったら、いくらゴムが銃弾をはじき返すと言っても、キャプテンクロに切り刻まれた時点くらいから海賊王の夢を諦めると思う。
彼の無茶ぶりは、日に日にエスカレートしていき、新世界に入るころには胸に深い傷を負っているではないか…
ここまで傷だらけになりながら、前へ進むルフィ君は一体どうして戦いをやめないのだろう。
海賊王になることが目的であれば、わざわざ強敵に真っ向勝負をせずとも、航海を早く進めるといったズルだってできるはず。
そもそも海賊なんだから、もっとズル賢くなって良いはずです。
逃げて逃げて、そしてマスを進むことだけに集中すれば、ワンピースは単行本全10巻くらいで完結するでしょう。
しかしながら、ルフィ君はありとあらゆる敵にケンカを売ってバトルに夢中になります。
戦うことで味わうことができる、アドレナリン分泌がたまらなくクセになってしまったのかもしれません。
敵をぶっ飛ばすことも、逆にボコボコにされることも、彼にとっては気持ちの良い瞬間だということです。
ゾロやサンジをはじめ、なかなかの強者を仲間にしてしまったルフィ君。
物語の後半では、ウソップやナミなど初期時点では強くなかった者まで、あなどれない戦闘力を身につけてしまったんです。
そんな中、船長であるルフィ君としては、船員を上回る圧倒的なパワーが欲しいところ…
早く前にへ進んで、ちゃちゃっと海賊王になりたいのはやまやまだが、道中で仲間にナメられてしまっては本末転倒w
ということで、クルーに馬鹿にされないために、必要以上に戦いの経験値を積んで自己強化に努めているのです。
しれっと海賊王になってしまっては、作者である尾田栄一郎に貢献できません。
話題になるようなダイナミックな戦いを読者の皆様へ届けることで、尾田栄一郎さんも喜びます。
そのためだったら、ゴム人間にだってなるし、さらに進化してバウンドマンのような非人間的な姿形になってしまうのです。
本当に優しい奴ですね、さすが海賊王になる男のキャパは計り切れません。
ルフィ君が戦う理由は、海賊王になるという大きな夢を叶える為だけでは無かったのです。
戦うことの快感、メンツ問題、作者の為、といったあらゆる要素に取り囲まれているから、とことん戦いに明け暮れる日々を送っているんですね。