DAOで社会の仕組みが変わる!分散型自立組織のメリット・デメリットを解説




榊原リュウジの画像
ボク

会社員として働く人は社内の上下関係に疑問を持ったことはありませんか?とにかく社長が偉く、新入社員は発言の機会すら少ないことに。DAOでは、このような上下関係が無く誰でも平等に1つの組織の中で活動できるようになります。

DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは

DAOとは、株式会社のようなCEOが決定権を持つ組織ではなく、参加者全員が平等のポジションで舵をきっていく分散型自立組織です。データの改ざんができないブロックチェーン技術や、契約などをプログラミングによって自動で行うスマートコントラクトなどを用いて実現しました。

国籍・性別・年齢などの個人情報は非公開ではじめられます。例えば、世界的に有名なパンケーキスワップという仮想通貨取引所では、誰が運営しているかわかりません。またパンケーキスワップ内のメンバー同士でさえも、相手のニックネームくらいしかわからない状態です。

ただし、お金の動きは透明化されるので、もはや誰が運営しているのかは問題ではありません。みんなで協力してよいサービスを作りたい。といった希望を、わずらわしい手続きなしに素早く形にできるのがDAOです。

ビットコインもDAO

中心に誰も存在しないビットコインは、マイニングを行うマイナーが計算処理を行い、ブロックチェーン上に取引のデータが残されます。誰かが誰かに指示をするわけではなく、ビットコイン買う人・売る人・計算処理する人みんなが自発的に行動するこの形態こそがDAOなのです。

国内のDAO組織

日本ではどのようなDAO組織が活躍しているのでしょうか。日本を代表するDAO組織を3つ紹介します。

①Ninja DAO

「まだ東京で消耗してるの?」「まだ仮想通貨持ってないの?」で一躍有名となったイケダハヤト創業のNinja DAO。かわいらしい忍者のキャラをNFT化し、Web3について学びながら生活に活かすことを目標にしたプロジェクトです。

ディスコードのコミュニティに参加申し込みするだけで一員になれます。リテラシーのテストに合格すると、忍者のNFTがもらえる特典つきです。コミュニティ内では、ゲーム開発・音楽制作・映像制作など幅広い分野でたくさんの人が意見を出し合い活動しています。

②和組

和組は日本の起業家小林清剛を中心に、Web3になじみのない人のために発足されました。主な活動内容は学習です。仮想通貨・ブロックチェーン・NFTなど、Web3について学びの機会を与えてくれます。世界に出遅れた日本のIT社会の希望となるDAO組織ですね。

こちらもディスコードからコミュニティに応募するだけで参加可能です。ちなみに和組というネーミングは、NFTスラングの「wagmi(みんなでうまくいく)」から名付けられたと言われています。

③MZ CLUB

前澤友作がリーダーを務めるMZ CLUBは「ゲームで遊んで稼ぐ」をもっと多くの人が体験できることを主体に進められているプロジェクトです。NFTゲームと言えば高額なNFTを購入したり、仮想通貨ウォレットを作成したりなど面倒な手続きが課題でした。

MZ CLUBはこれらのハードルを下げ、エルフマスターズやクリプトヒーローズなどのNFTのゲームギルドとして、誰でも遊んで稼げるようにサポートしてくれるDAOです。公式コミュニティにはディスコードから参加できます。

DAOのメリットとは

ここからはDAOを企画したり参加したりするメリットについて解説します。

①法的な手続きなくプロジェクトを開始できる

DAOの強みの1つはプログラムによる契約の簡素化です。通常株式会社を立ち上げるには登記申請・印鑑作成・銀行口座作成・従業員や弁護士を雇うなど多くの法的手続きが必要ですが、DAOではすべて不要。

なぜならスマートコントラクトという技術がほとんどの契約を自動で行うからです。参加者はウォレットの連携を承諾するだけでプロジェクトに入ることができます。面接なども必要ありません。

②運営コストを大幅に抑えられる

スマートコントラクトのおかげで、今まで多額の人件費が必要だった管理にあたる仕事がまるまる無くなります。参加者の個人情報を管理したり、契約書を送ったり受け取ったりする必要もありません。

面倒な手続きをコンピューターに任せられるので、余った時間やお金で新しいお仕事をすることができます。初期費用がおさえられるので、アイデア1つで大きなビジネスを作ることだって可能です。

③透明性の高い組織が作れる

DAOの活動はブロックチェーン上で行われるので、誰がトークン(資産)をどのくらい所有しているか外部の人間でも調べることができます。創業者がトークンの数十%以上を持っているならブラックな組織と判断できるため、不正を行いづらいのが特色です。

これまでの資本主義のように、お金を持っている人が決定権をもつ独裁政権がとりにくいため、みんなでスキルを出し合って健全に組織を成長させることができます。

DAOのデメリットとは

残念ながらDAOにはクリアすべく課題がいくつか残されています。DAOのデメリットについて解説します。

①参加者の教育が必要が詐欺も多い

DAOをはじめ、NFT・ブロックチェーン・スマートコントラクトなどのWeb3の仕組みをみんなが理解するには時間がかかります。わからないことが多いということは詐欺がやりやすくなるということです。

不正ができないブロックチェーンですが、その仕組みを知らない人はそもそも参入時に騙されてしまう可能性があります。仕組みをさらに分かりやすくするか、ツールの開発でもっと簡単に使えるようにする必要があるでしょう。

②ハッキングの恐れ

国内外の仮想通貨取引所がハッキングされ、億単位の大金を奪われてしまう事件が後を絶ちません。DAOも仮想通貨での取引を前提としているので、ウォレットやプラットフォームのどこかでハッキングに遭う可能性があります。

大手企業のサービスでさえサイバーテロの被害に遭う時代なので、国家レベルでハッキング対策にあたる必要があると言えるでしょう。

法律による規制

Web3関連で稼ぐことや損することについて法整備が追いついていないのが現状。DAO組織が大きくなっても許認可が行えないため、製造業やサービス業をはじめたい場合は、結局のところ開業手続きをしなければなりません。

税金に関しても不明点が多いため、今後の国方針によっては高い税率を定められてしまう可能性もあるでしょう。

まとめ

上下関係がなく偉い人が存在しないDAO。人々の理解が進めば、新時代の働き方の1つとして認知される日がくるかもしれません。会社員をしながらDAOでも働く。フリーランスしながらDAOで稼ぐ。複数のDAOを掛け持ちして生計を立てる。そんな未来を想像するとわくわくしてきますね。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です